結婚を諦めたあなたへ|楽になれる考え方とこれからの生き方

「もう結婚は無理かもしれない」と感じた日のことを、覚えている方もいるでしょう。はっきり決めたわけではなく、気づいたら諦めていたという方もいるかもしれません。

先にお伝えすると、結婚を諦めたと感じるのは、あなただけではありません。そして、諦めることは負けではありません。まだ気持ちが揺れている方も、いま決めきらなくて構いません。

この記事では、国の調査をもとに、40代・50代の結婚への気持ちを紹介します。諦める人に多い理由、諦めて楽になれるのか、年齢の考え方にも触れます。最後に、結婚しない人生を自分らしく送るためのヒントをまとめました。

結婚を諦めたと感じるのは、あなただけではありません

結婚を諦めたという気持ちは、特別なものではありません。以前は結婚したいと思っていた方が、「もういい」と感じるようになるのは、よくあることです。年齢や暮らしの変化とともに、気持ちは少しずつ動いていきます。

周りに同じ話をできる人がいないと、自分だけが取り残されたように感じます。けれど、実際の数字を見ると、そう感じている人は少なくありません。

夕方の自宅で、湯のみを手に窓の外を眺める50代の女性

40代・50代では、結婚への気持ちが変わる人が多い

2021年度の国の調査では、結婚したことのない独身者に、結婚への気持ちを聞いています。年代ごとの結果は、次のとおりです。

年代女性 結婚したい女性 したくない男性 結婚したい男性 したくない
40代31.7%31.4%36.0%29.8%
50代13.0%55.6%26.6%38.9%
60代7.9%66.4%22.0%39.2%

出典:内閣府「人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査」(2021年度)※「結婚したい」は「是非したい」「出来ればしたい」「既に予定がある」の合計、「したくない」は「出来ればしたくない」「したくない」の合計です。「どちらでもいいと思う」は含みません。

40代の女性では、結婚したい人としたくない人がほぼ同じ割合です。それが50代になると、結婚したい人は1割ほどに減り、したくない人が半数を超えます。男性も、年代が上がるほど結婚したい人の割合は下がります。

この表は、年代ごとに別の人に聞いた結果です。同じ人の気持ちの変化を追ったものではありません。それでも、年齢を重ねるなかで結婚への気持ちが変わる人は珍しくないことが分かります。

「どちらでもいい」と答えた人も、40代・50代の男女で3割台います。強く望むわけでも、はっきり拒むわけでもありません。そんな中間の気持ちでいる方も多いのです。

離婚や死別を経験した独身者では、この傾向がさらにはっきりします。同じ調査で結婚を「したくない」側と答えた人は、50代の女性で60.5%、60代の女性では81.2%でした。一度結婚を経験したうえで、次は選ばないと考える人も多いのです。

諦めたことは、負けではありません

「諦める」という言葉には、負けた、逃げた、という響きがあります。そのため、自分を責めてしまう方もいるでしょう。

けれど、結婚しないまま人生を組み立てる人は、この30年で大きく増えました。50歳の時点で一度も結婚していない人は、2020年に女性17.8%、男性28.3%でした。1990年は女性4.3%、男性5.6%でしたので、女性は約4倍、男性は約5倍です。(出典:国立社会保障・人口問題研究所)

結婚は、人生で必ず通る道ではなくなっています。諦めたのではなく、別の道を歩き始めただけと考えることもできます。

気持ちに区切りがついた方も、まだ揺れている方もいるでしょう。どちらの状態でも、そのままで構いません。

結婚を諦める人に多い5つの理由

結婚を諦めるまでには、人それぞれの事情があります。ここでは、よくある5つの理由を紹介します。

当てはまるものがあれば、それがあなたの理由です。ひとつに絞らなくて構いません。いくつかが重なっている方のほうが多いでしょう。

休日の昼、カフェの窓際でひとり手帳を開いている40代の男性

結婚したいと思える相手に出会えなかった

特に多いのが、相手に出会えなかったという理由です。国の調査では、積極的には結婚を望まない40〜69歳の独身者に、理由をたずねています。

「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」が当てはまると答えた人は、女性で58.8%、男性で43.2%でした。「結婚相手として条件をクリアできる人に巡り合えそうにないから」も、女性で51.6%、男性で37.9%にのぼります。

仕事と家の往復が続くと、新しい人と知り合う場面は自然と減っていきます。周りの友人が家庭を持つと、人を紹介してもらう機会も少なくなります。出会いは、住む場所や職場、そのときの暮らし方に大きく左右されます。

出会えなかったのは、あなたの魅力が足りなかったからではありません。巡り合わせの問題が大きいのです。

年齢を重ねるうちに、気持ちが変わってきた

30代のころは焦っていたのに、40代・50代で「もういいかな」と思えるようになった方も多いでしょう。

年齢を重ねると、自分の暮らしのかたちが整ってきます。仕事のペースや休日の過ごし方も、自分に合うものに落ち着いていきます。そこに誰かを迎えることを考えると、ためらう気持ちが出てくるのは自然なことです。

親の介護や自分の体調など、結婚よりも先に向き合うことが増える時期でもあります。気持ちが変わったのは、弱くなったからではありません。暮らしが変わったからです。

焦りが静まって、ほっとしたという方もいるでしょう。その安堵も、大切にしてよい感覚です。

お金や仕事の先行きが見えない

男性に多いのが、お金や仕事の不安です。同じ調査では、「結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから」が当てはまると答えた人は、男性で40.9%、女性で31.4%でした。(出典:内閣府)

自分ひとりの生活は成り立っていても、相手の暮らしまで支えられるかは別の話です。住まいを広げることや、将来に備えることを考えると、踏み出せなくなる方もいます。

相手に苦労をかけたくないという気持ちから、結婚を諦める方もいます。それは、相手を思う気持ちの表れでもあります。

収入や仕事で、人の価値が決まるわけではありません。ひとりの暮らしを自分で支えてきたことは、それだけで十分な力です。

婚活を続けることに疲れた

婚活に時間とお金をかけてきたのに、うまくいかなかった経験から、結婚を諦める方もいます。

休日のたびに予定を入れ、会うたびに相手に合わせて気を配ります。うまくいかないと、自分のどこが悪いのかと考え込んでしまいます。それが何年も続けば、心も体も疲れてしまいます。

結婚相談所やアプリに払ってきた費用を思うと、やめどきが分からなくなる方もいるでしょう。けれど、これまでにかけたものを理由に続ける必要はありません。

頑張った時間は、無駄ではありません。疲れたから立ち止まるのは、自分を守るための自然な判断です。

あわせて読みたい:婚活疲れは休んでいい|婚活に疲れたときの休み方とやめどき

恋愛の経験が少なく、踏み出しにくい

恋愛の経験が少ないことを気にして、結婚を諦める方もいます。どう声をかければよいのか、どう付き合えばよいのかが分かりません。そのため、最初の一歩が重く感じられるのです。

見た目や年齢に自信が持てず、「自分には無理だ」と決めてしまう方もいるでしょう。

けれど、恋愛の経験の多い少ないは、人それぞれです。仕事や趣味、家族のことに時間を使ってきた結果でもあります。経験が少ないことは、欠点ではありません。

体調や家族の事情など、ここに挙げなかった理由で諦めた方もいるでしょう。どんな理由であっても、自分を責める必要はありません。

結婚を諦めて「楽になった」と感じる人は少なくありません

結婚を諦めたあと、気持ちが軽くなったと感じる人は少なくありません。一方で、ふとした瞬間に心が揺れることもあります。どちらも自然なことです。

2023年1月に、25〜49歳の独身男女1,000人を対象にした民間の調査が行われています。結婚を諦めて楽になったと答えた人は、男性で約6割、女性で約7割でした。諦めたことを後悔した経験があると答えた人は、男女とも2割に届いていません。(出典:ノマドマーケティング)

公園の散歩道を、自分のペースで歩く50代の女性

肩の力が抜けて、自分のための時間が戻ってくる

「いつか結婚しなければ」と思い続けるのは、思っている以上に気力を使います。その考えから離れると、肩の力がふっと抜ける方が多いようです。

婚活の予定に使っていた休日が、自分のための時間に戻ってきます。行きたかった場所に出かけたり、ゆっくり眠ったりできます。お金の使い道も、自分の楽しみのために選べるようになります。

周りと比べる気持ちが静まるのも、大きな変化です。友人の結婚の知らせを、落ち着いて喜べるようになったという方もいます。

「いつ結婚するの」と聞かれたときの答えも、迷わずに済むようになります。自分の中で区切りがつくと、人の言葉に振り回されにくくなるのです。

ふと寂しさや迷いが戻る日があってもいい

諦めたはずなのに、心が揺れる日もあります。年末年始に親戚が集まるときや、体調を崩して心細くなったときなどです。

揺れたからといって、諦めたことが間違いだったわけではありません。気持ちは一度決めたら動かないものではなく、行ったり来たりするものです。

揺れる日が来ることを、あらかじめ知っておくだけでも違います。「またこの気持ちが来たな」と受け止められると、振り回されずに済みます。

揺れたときは、何に心が動いたのかを見てみましょう。結婚そのものなのか、ひとりの将来への不安なのかを分けて考えます。将来への不安なら、結婚以外の方法で備えることもできます。

つらさが続くときは、ひとりで抱えなくていい

気持ちの落ち込みが長く続くときや、眠れない日が続くときもあります。そんなときは、ひとりで抱え込まないでください。

厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNSで相談できる窓口を探せます。悩みの内容や、相談の方法から選ぶことができます。

話を聞いてもらうだけでも、気持ちが整理されることがあります。身近な人に話しにくいときこそ、こうした窓口を頼ってみてください。

結婚を諦める年齢に決まりはありません

「何歳になったら諦めるものなのか」と気になる方もいるでしょう。結論からお伝えすると、結婚を諦める年齢に決まりはありません。

「35歳を過ぎたら」「40歳になったら」といった区切りを耳にすることがあります。けれど、結婚を諦める年齢を示した公的な統計はありません。年齢だけで決まるものではないのです。

誕生日の小さなケーキとお茶が置かれた、落ち着いた木の食卓

40代で結婚する人も、結婚しないと決める人もいる

国の統計では、2024年に結婚生活に入り、同じ年に届け出た夫婦のうち、40代の妻は25,602組、夫は36,440組でした。年齢は、一緒に暮らし始めたときのものです。(出典:厚生労働省)

40代で結婚生活を始める人は、1年だけでもこれだけいます。一方で、同じ40代で「もう結婚はしない」と決める人もいます。

どちらが正しいという話ではありません。この数字が示しているのは、年齢が答えを決めるわけではないということです。

年齢を気にし始めるきっかけは、誕生日や同窓会、親の言葉などさまざまです。けれど、節目の年齢を迎えたからといって、気持ちまで切り替える必要はありません。

結婚するかしないかは、何歳であっても、あなたの気持ちで決めて構いません。「まだ間に合うから頑張らなければ」と自分を追い込む必要もありません。

「諦めた方がいい人」は、誰かが決めるものではありません

「結婚を諦めた方がいい人」の条件を探す方もいるでしょう。けれど、その線引きは、他人が決めるものではありません。

年齢や収入、見た目などを並べて判定する記事もあります。そうした条件に自分を当てはめても、答えは出ません。つらくなるだけです。

ひとつ目安にするなら、いまの毎日がどうなっているかです。結婚を目指すことが、暮らしを苦しくしていないでしょうか。

休日のたびに予定を詰めて、疲れが抜けないこともあります。うまくいかないたびに、自分を責めてしまうこともあるでしょう。そんな状態が続いているなら、いったん手放して構いません。

反対に、無理なく続けられていて前向きでいられるなら、急いで決める理由はありません。周りから「そろそろ諦めたら」と言われても、それに合わせる必要はないのです。38歳でも、45歳でも、答えを出すのはあなた自身です。

結婚しない人生を自分らしく送るための4つのこと

結婚を手放したあとの時間は、これからの暮らしを自分で選び直す時間でもあります。ここでは、結婚しない人生を自分らしく送るための4つのことを紹介します。

どれも、すぐにすべてを始める必要はありません。気になるものから、ひとつずつ試してみてください。

地域の陶芸教室で、同年代の人と穏やかに話しながら作業する50代の男女

「諦めた」を「手放した」と言い換えてみる

「諦めた」という言葉を使うと、できなかったことを数えてしまいがちです。そこで、「結婚を目指すことを手放した」と言い換えてみましょう。

手放したのは結婚そのものではありません。結婚を目指して走り続けることです。空いた両手で、自分の暮らしを選び直すことができます。

同じ出来事でも、言葉が変わると受け止め方が変わります。人に話すときも、「いまは自分の暮らしを大事にしている」と言うほうが、気持ちよく話せる方もいるでしょう。

たとえば、婚活のために続けていた習いごとを、自分が楽しいかどうかで選び直してみます。服や髪型も、誰かに選ばれるためでなく、自分が心地よいものに変えてみます。そうした小さな選び直しが、手放したあとの暮らしを形づくっていきます。

言い換えがしっくりこない日があっても構いません。言葉は、自分が楽になるために使えば十分です。

暮らしの土台を早めに整えておく

結婚しない人生では、暮らしの土台を自分で整えることになります。大きく分けると、次の3つです。

  • お金: 将来受け取る年金の見込み額を、一度確かめておく
  • 住まい: いまの住まいに何歳まで住むか、実家をどうするかを考えておく
  • 体調を崩したとき: 入院のときの連絡先や、頼める相手を決めておく

年金の見込み額は、日本年金機構の「ねんきんネット」で確かめられます。見通しが立つと、漠然とした不安はだいぶ軽くなります。

どれも、元気なうちのほうが選べる幅は広くなります。慌てる必要はありませんが、1年に1つずつでも進めておきましょう。

あわせて読みたい:「結婚したくない」はおかしくない|6つの理由と将来の備え

家族以外のつながりと、ひとりの楽しみを持つ

婚活に使っていた時間や気持ちを、自分の楽しみに回してみましょう。習いごとや学び直し、旅行、地域の活動など、何でも構いません。

ひとりで楽しめることがあると、休日の過ごし方に張りが出ます。同じ趣味の集まりなら、結婚しているかどうかを気にせず話せます。

困ったときに声をかけられる相手が、何人かいると安心です。昔からの友人、趣味の仲間、近所の顔見知りなどです。ひとりだけに頼るより、ゆるやかなつながりをいくつか持っておくほうが長く続きます。

つながりは、急に必要になってから作れるものではありません。月に一度でも顔を合わせる相手を、元気なうちに持っておきましょう。

恋愛やパートナーとの縁まで閉じなくていい

結婚を目指すことを手放しても、人との縁まで閉じる必要はありません。気の合う人と出かけたり、誰かを好きになったりすることは、これからもあってよいことです。

「結婚を諦めたら、かえって良い出会いがあった」という声を聞くこともあります。ただ、それを目当てにする必要はありません。結婚をゴールにしない付き合い方も、ひとつの選択です。

結婚という形にはこだわらないけれど、そばにいる人は欲しいと感じる方もいるでしょう。結婚しないパートナーとの暮らし方を知っておくと、選べる道が広がります。

あわせて読みたい:結婚はしたくないけどパートナーは欲しい|関係のかたちと出会い方

まとめ

結婚を諦めたと感じるのは、あなただけではありません。40代・50代で結婚への気持ちが変わる人は多く、諦めて肩の力が抜けたと感じる人もいます。

諦めた理由は人それぞれです。出会いやお金、年齢、婚活の疲れなど、どれも本人の落ち度ではありません。

結婚を諦める年齢に決まりはなく、何歳であっても自分の気持ちで決めて構いません。揺れる日があっても、それは間違いの証拠ではありません。

暮らしの土台とつながりを少しずつ整えておけば、結婚しない人生も自分らしく組み立てられます。

まずは、婚活に使っていた休日を1日だけ、自分の楽しみのために使ってみましょう。

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