終活とは、人生の終わりに向けた準備を、元気なうちに進めておくことです。お金や持ちものを整理し、医療や葬儀の希望をまとめておきます。
準備をしておくと、これからの暮らしも、もしものときも安心できます。何歳からでも、できることから始めれば大丈夫です。
この記事では、終活でやること10項目を早見表にまとめました。何から始めればよいか、何歳から始めるのがよいかも紹介します。かかる費用や相談先もあわせて確かめましょう。
終活とは|人生の終わりに向けた準備を元気なうちに進めること
終活は、人生の終わりに向けて準備をしておく活動です。まずは言葉の意味と、終活をする目的を確かめましょう。

終活の意味と目的
終活とは、人生の終わりに向けた活動をまとめて呼ぶ言葉です。就職活動を縮めた「就活」にならって生まれました。2009年に、週刊誌の連載で広く知られるようになりました。(出典:コトバンク)
「人生の締めくくりの準備」と言い換えるとわかりやすいかもしれません。中身は幅広く、お金や持ちものの整理から、医療や葬儀の希望をまとめることまで含みます。
終活の目的は、大きく分けて次の2つです。
- 自分のため: これからの暮らしを、安心して自分らしく過ごすため
- まわりの人のため: もしものときに、家族や友人、手続きをしてくれる人が困らないため
「人生を終えるための準備」と考えると、手が止まりがちです。「これからの暮らしを整える準備」と考えると、前向きに進めやすくなりますよ。
終活をするメリット
終活をしておくと、主に次の3つのよいことがあります。
- これからの不安が軽くなる: お金や書類のありかがわかり、迷うことが減ります
- 自分の希望を形にできる: 医療や葬儀、財産の行き先を、自分で決めておけます
- まわりの人の手間を減らせる: 手続きや片づけが進めやすくなります。財産の分け方でもめるのも防ぎやすくなります
家族がいる人もいない人も、終活をしておけば、自分の希望を伝えられます。
終活でやること10項目【やることリスト】
終活で何をするかは、大きく分けて3つです。情報を整理すること、希望を決めること、もしものときの頼み先を決めることです。
具体的には、次の10項目があります。終活のやることリストとして使ってください。
| やること | 主な中身 | 相談先・使えるもの |
|---|---|---|
| 1. これからやりたいことを書き出す | 行きたい場所、会いたい人、続けたいこと | 自分でできる |
| 2. エンディングノートに必要な情報をまとめる | 連絡先、持病、お金、希望 | 配布や市販のノート |
| 3. お金と契約を一覧にする | 銀行口座、保険、年金、不動産、ローン | 自分でできる |
| 4. 身の回りのものを整理する | 使わないもの、思い出の品、写真 | 自分でできる |
| 5. デジタルの情報を整理する | スマホ、ネット銀行、サブスク、SNS | 自分でできる |
| 6. 連絡してほしい人のリストを作る | 友人、知人、親族の連絡先 | 自分でできる |
| 7. 医療や介護の希望を考える | 延命治療、介護の場所 | かかりつけ医、地域包括支援センター |
| 8. 葬儀やお墓の希望を決める | 葬儀の形、呼びたい人、納骨先 | 葬儀社、寺院、霊園 |
| 9. 財産の行き先を遺言書で決める | 誰に何を渡すか | 公証役場、法務局、弁護士、司法書士 |
| 10. もしものときの頼み先を決める | お金の管理、入院、死後の手続き | 社会福祉協議会、専門家 |
1〜6は、自分ひとりで今日から始められます。7〜10は、考えがまとまってから、専門家や窓口に相談しながら進めましょう。順に紹介します。
1. これからやりたいことを書き出す
終活の入り口としておすすめなのが、これからやりたいことを書き出すことです。行きたい場所や会いたい人、挑戦したいこと、続けたい趣味などを書いてみましょう。
「やりたいことを100個書く」といった方法もありますが、数にこだわる必要はありません。思いついた分だけで十分です。
書き出してみると、お金の使い方や、これからの住まいの希望を考える手がかりにもなります。
2. エンディングノートに必要な情報をまとめる
エンディングノートは、もしものときに必要な情報と、自分の希望をまとめておくノートです。遺言書のような法的な効力はありません。(出典:船橋市)
まずは、次のような項目から書き始めると進めやすくなります。
- 緊急のときの連絡先
- 持病と、かかりつけの病院
- 預貯金や保険などのお金の一覧
- 医療や葬儀についての希望
暗証番号やパスワードそのものは、書かないようにしましょう。ノートの置き場所は、信頼できる人に伝えておきます。
エンディングノートを無料で配っている市区町村もあります。たとえば東京都武蔵野市や宮城県仙台市です。お住まいの市区町村のホームページで確かめてみましょう。
あわせて読みたい:エンディングノートの書き方|書く10項目と記入例・注意点
3. お金と契約を一覧にする
預貯金のある銀行口座や、保険、年金、不動産を一覧にします。ローンやクレジットカード、毎月の引き落としも書いておきましょう。
使っていない銀行口座は、今のうちにまとめておくと安心です。自分でお金を管理しやすくなり、もしものときの手続きも少なくて済みます。
保険は、どの会社のどんな保険に入っているかを書き出しておきます。見直すかどうかは、一覧にしてから考えれば大丈夫です。
親から受け継いだ家や土地がある人は、名義が親のままになっていないかも確かめましょう。2024年4月から、相続登記の申請が義務になりました。相続で不動産を取得したと知った日から、3年以内に申請する必要があります。
4. 身の回りのものを整理する
使わないものや思い出の品を、元気なうちに少しずつ整理します。「生前整理」や「身辺整理」、「終活の断捨離」とも呼ばれます。
一度に家じゅうを片づけようとすると、疲れてしまいます。1日に引き出し1つ、棚1段から始めましょう。
写真は、残したい枚数を決めて選ぶと進めやすくなります。スマホで撮ってデータで残す方法もあります。60代や70代になってからでも、使わないものから少しずつ進めれば大丈夫です。
5. デジタルの情報を整理する
デジタルの情報には、スマホやパソコンの中身、ネット銀行などがあります。サブスクやSNSのアカウントも同じです。どれも、本人以外が気づきにくいものです。
国民生活センターも、サービス名やIDなどを整理しておくよう呼びかけています。
サービス名とIDを一覧にして、エンディングノートに書いておきましょう。使っていないサブスクは、今のうちに解約しておくと安心です。
6. 連絡してほしい人のリストを作る
入院したときや亡くなったときに、知らせてほしい人を一覧にします。友人や知人、親族、趣味の仲間などです。
家族がいても、友人の連絡先までは知らないことがよくあります。年賀状やスマホの連絡先を見ながら作ると、進めやすくなります。
7. 医療や介護の希望を考える
延命治療をどうしたいか、介護が必要になったらどこで暮らしたいかを考えておきます。
望む医療やケアを前もって考え、身近な人や医療・介護の人と話し合っておきましょう。厚生労働省は、この取り組みを「人生会議」と呼んでいます。アドバンス・ケア・プランニングとも呼ばれます。
気持ちは、時間とともに変わってもかまいません。一度決めたら終わりではなく、ときどき見直して話し合いましょう。
臓器提供について考えがある人は、意思表示欄に書いておく方法もあります。マイナンバーカードや運転免許証に欄があります。(出典:日本臓器移植ネットワーク)
8. 葬儀やお墓の希望を決める
葬儀の形や、呼んでほしい人、遺影に使いたい写真、納骨先の希望を書いておきます。
葬儀の費用は、内容や地域によって大きく変わります。気になる葬儀社があれば、前もって見積もりを取っておくと安心です。
お墓を継ぐ人がいない場合も、永代供養のように、継ぐ人がいなくても選べる形があります。
9. 財産の行き先を遺言書で決める
誰に何を渡すかを法的に決めておけるのは、遺言書です。エンディングノートに書いても、財産の行き先は決められません。
遺言書には、公証役場で作る公正証書遺言と、自分で書く自筆証書遺言などがあります。自筆証書遺言は、法務局で預かってもらえます(自筆証書遺言書保管制度)。保管の申請の手数料は1件3,900円です(2026年10月時点)。
ただし、法務局は遺言書の内容が有効かどうかまでは確かめません。内容に迷うときは、専門家に相談しましょう。
自分で書く遺言書は、今は全文と日付、名前を自分で書き、印を押す決まりです。2026年6月に成立した民法の改正で、印を押すことは不要になる予定です。決まりが変わる時期は、作る前に法務省などで確かめましょう。
相続人がいなくて遺言書もない場合、残った財産は最終的に国のものになります。特別な縁のあった人に分けられる場合もあります。(出典:裁判所)
お世話になった人や団体に財産を遺したい人は、遺言書で決めておきましょう。
10. もしものときの頼み先を決める
判断する力が落ちたときのお金の管理や、入院の手続きを誰に頼むかを決めておきます。亡くなった後の手続きも同じです。家族に頼む場合も、頼む中身を前もって話しておきましょう。
家族に頼めない場合は、契約で備える方法があります。
- 任意後見契約: 判断する力が落ちたときのお金の管理などを、前もって選んだ人に頼む契約
- 死後事務委任契約: 葬儀や役所の手続きなど、亡くなった後のことを頼む契約
死後事務委任契約では、財産の分け方は決められません。財産の行き先は、遺言書で決めておきます。(出典:国民生活センター)
こうした契約は、判断する力があるうちでないと結べません。(出典:日本公証人連合会)
なお、身元保証人がいないことだけを理由に、病院は入院を断れません。国が通知で示しています。(出典:厚生労働省)
あわせて読みたい:入院の保証人がいないときの対処法5つ|相談先と元気なうちの備え
終活は何から始める|まずは書き出すことから
終活は、やりたいことと、お金や連絡先などの情報を書き出すことから始めましょう。紙とペンがあれば、今日から始められます。

進める順番は、次の3つのステップが目安です。
- 書き出す: やりたいことや、お金、連絡先を思いつくまま書く(やること1・2・3・6)
- 整理する: 使わないものや、使っていない口座、サブスクを減らす(やること4・5)
- 決めて伝える: 医療や財産の希望を決め、人や窓口に伝える(やること7〜10)
最初の1週間は、1日10分ほどノートに向かうだけでもかまいません。書き出したものを見返すと、次にやることが自然と見えてきます。
すべてを一度に終わらせる必要はありません。1か月に1つでも進めば十分です。
途中で気持ちが変わったら、書き直してかまいません。自分のペースで続けていきましょう。
終活はいつから始める|何歳からでも早すぎることはない
終活を何歳から始めるかに、決まりはありません。判断する力があるうちに、思い立ったときが始めどきです。遺言書や契約は、判断する力がないと作れないからです。
定年や子どもの独立、親の介護、自分の入院などの節目をきっかけに、始める人も多くいます。20代や30代から、少しずつ始める人もいます。

40代・50代の終活は情報の整理から
40代・50代は、まだ元気で時間に余裕がある人の多い時期です。やりたいことの書き出しや、お金の一覧づくり、ものの整理から始めましょう。
親の終活に関わる人も多い時期です。親の準備を手伝いながら、自分の分も一緒に考えるきっかけにできます。
あわせて読みたい:終活は50代からが始めどき|今やること7つと急がなくていいこと
60代・70代の終活は医療や契約まで考える
60代・70代は、定年や年金の受け取りなどで暮らしが変わる時期です。書き出しや整理に加えて、医療や介護、葬儀の希望を具体的に考えましょう。
遺言書を作ることや、もしものときの頼み先の契約も、この時期に考え始める人が多くいます。体が元気なうちに、窓口や専門家に相談しておくと安心です。
年金の受け取りが始まったら、毎月の収入と支出を一度書き出しておくのもおすすめです。これからのお金の流れがわかると、やりたいことにどれだけ使えるかも見えてきます。
80代からでも遅くはない
80代からでも、終活は遅くありません。判断する力があるうちは、遺言書や契約の準備もできます。
身近な人や地域包括支援センターに相談しながら、できることを1つずつ進めましょう。
終活にかかる費用と相談先
終活にかかる費用の考え方と、困ったときの相談先を紹介します。
終活の費用は何を頼むかで変わる
終活の費用に、決まった平均はありません。やりたいことの書き出しやお金の一覧づくりは、ほとんど費用がかかりません。
費用がかかるのは、契約の手数料や、専門家や業者に頼む部分、葬儀やお墓です。
| 準備 | 費用の目安 | 確認先 |
|---|---|---|
| エンディングノート | 無料から(市区町村が配っていることがある) | 市区町村 |
| 自筆証書遺言書の保管 | 1件3,900円(2026年10月時点) | 法務局 |
| 公正証書(遺言・任意後見契約など) | 内容や財産の額によって変わる | 公証役場 |
| 専門家への依頼 | 事務所ごとに異なる | 弁護士、司法書士、行政書士 |
| 片づけ・葬儀・お墓 | 内容と地域によって大きく異なる | 前もって複数の見積もりを取る |
| 民間の終活サービス | 内容で大きく異なり、前もって預けるお金もある | 契約の前に書面で確かめる |
金額だけで選ばず、何が含まれているかを書面で確かめましょう。
終活の相談先
終活の相談は、内容に合わせて次の窓口でできます。
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 地域包括支援センター | 暮らしや介護、見守りなどの相談 |
| 市区町村・社会福祉協議会 | 終活の相談、ノートの配布、講座など(地域で異なる) |
| 公証役場 | 公正証書遺言、任意後見契約 |
| 法務局 | 自筆証書遺言書の保管 |
| 弁護士・司法書士・行政書士 | 遺言書や相続、契約の相談 |
| 消費者ホットライン(188) | 終活のサービスの契約トラブル |
市区町村や社会福祉協議会では、終活の講座(セミナー)を開いていることもあります。どこに相談すればよいか迷ったら、まずは地域包括支援センターに相談してみましょう。
終活を進めるときの注意点
終活を無理なく続けるために、気をつけたいことを4つ紹介します。
一度に終わらせようとしない
終活には、時間も手間もかかります。先のことを考えて、気持ちが沈むこともあるかもしれません。
疲れたら休みながら、自分のペースで進めましょう。気持ちや暮らしが変わったら、そのつど書き直せば大丈夫です。
書いたものの置き場所を信頼できる人に伝える
エンディングノートや遺言書は、見つけてもらえないと役に立ちません。置き場所を、家族や信頼できる人に伝えておきましょう。
ノートの保管場所などを、市区町村に登録できる地域もあります。神奈川県横須賀市の「わたしの終活登録」がその一例です。
急に倒れたときに備えて、「救急医療情報キット」を配る市区町村もあります。連絡先や持病を書いた紙を容器に入れ、冷蔵庫にしまっておくものです。名前や対象は地域によって違うので、お住まいの市区町村で確かめてみましょう。
頼れる家族がいない人は頼み先まで決めておく
独身の人や、家族が遠くに住んでいる人は、希望を書くだけでは足りないことがあります。希望を実行してくれる人まで決めておくと安心です。
頼み先には、友人や知人、専門家、社会福祉協議会、民間のサービスなどがあります。65歳以上では、男性の約5人に1人、女性の約4人に1人がひとり暮らしです(2025年)。(出典:総務省統計局)
家族がいる人も、いずれひとりになることはあります。おひとりさまの終活は特別なものではなく、準備の中身が少し違うだけです。
あわせて読みたい:おひとりさまの終活でやるべき7つのこと|頼れる家族がいなくても安心
契約やサービスは急がず確かめる
終活のサービスの中には、高額な契約や、お金を前もって預けるものもあります。その場で決めず、内容を書面で確かめましょう。
迷ったときは、消費者ホットライン(188)に電話しましょう。近くの消費生活センターなどにつながります。
まとめ
終活は、人生の終わりに向けた準備を、元気なうちに進めておくことです。やること10項目のうち、書き出すことと整理することは、今日からひとりで始められます。
医療や財産、頼み先のことは、考えがまとまってから専門家や窓口に相談すれば大丈夫です。何歳からでも、できることから1つずつ進めましょう。
まずは、これからやりたいことと、お金の一覧をノートに書き出してみましょう。
独身なび編集部のX(@dokushin_navi)では、暮らしに役立つ情報をお届けしています。


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