50代で友達がいないと感じる人は、決して少なくありません。調査を見ると、悩みを打ち明けられる友人がいない50代の男性は、およそ3人に1人です。女性でも、年齢とともにその割合は高くなっていきます。
ふと気づくと、休日に連絡を取り合う相手がいないと感じることがあります。そんなとき、寂しくなったり、自分に原因があるのではと考えたりしますよね。
この記事では、50代の友人関係の実情を調査データで紹介します。友達が離れていく理由や、友達がいないことへの考え方も整理しました。これからの付き合い方と、新しいつながりの作り方もあわせてお伝えします。
50代で友達がいない人は珍しくない|データで見る割合
50代男性の37%が、「悩みごとを相談できるような友人がいない」と答えています。女性は9%で、いずれも2017年の調査です。とくに男性では、相談できる友人がいないことは珍しくありません。
男女とも、40代より50代・60代のほうが、この割合は高くなっています。年齢を重ねるにつれて、友人関係が少しずつ細くなるのは、多くの人に共通する流れです。

| 年代 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 40代 | 23% | 8% |
| 50代 | 37% | 9% |
| 60代 | 36% | 19% |
悩みごとを相談できるような友人が「いない」と答えた人の割合(2017年)
出典:NHK放送文化研究所「放送研究と調査 2018年6月号」(ISSP国際比較調査「社会的ネットワークと社会的資源」日本の結果)
「50代男性の37%が友達ゼロ」は、悩みを相談できる友人の話
インターネットでは「50代男性の37%が友達ゼロ」という言葉を見かけることがあります。この数字のもとになっているのが、先ほどの調査です。
ただし、調査で尋ねたのは「悩みごとを相談できるような友人」の人数です。メールやSNSでやりとりする友人の数は、別の質問で聞いています。
相談できるほど深い仲ではなくても、連絡を取り合う友人がいる人はいます。反対に、ふだんやりとりする友人は多くても、悩みは打ち明けない人もいるでしょう。
つまり37%は、友達がひとりもいない人の割合ではありません。「相談できる相手がいない」と「友達がひとりもいない」は、別のことです。数字だけを見て、必要以上に落ち込まなくて大丈夫です。
相談できる友人は「2〜3人」がいちばん多い
では、50代の人には、相談できる友人が何人くらいいるのでしょうか。同じ調査では、50代女性の63%、50代男性の36%が「2〜3人」と答えています。どちらも、いちばん多い回答です。女性では「4〜9人」も15%いました。
10人以上と答えた人は、男女ともごくわずかでした。悩みを打ち明けられる友人は、数人いれば多いほうだといえます。1人でもいれば、心強い存在です。
年齢とともに、相談相手に友人を挙げる人は減っていく
2025年の内閣府の調査からも、同じ流れが見えます。不安や悩みの相談相手がいる人のうち、「友人・知人」を挙げた人の割合は次のとおりです。
- 50代: 男性51.1%、女性70.9%
- 60代: 男性48.7%、女性63.5%
- 70代: 男性42.7%、女性57.8%
男性の場合、職場の同僚など「仕事・学校関係者」を挙げた人は、50代で29.6%でした。60代では16.0%に減ります。男性は、仕事を通じたつながりの比重が大きいことがうかがえます。(出典:内閣府)
50代で友達が離れていく5つの理由
50代で友達が離れていくのは、多くの場合、誰かに嫌われたからではありません。暮らしの変化が重なって、自然と会う機会が減っていくのです。よくある5つの理由を見ていきましょう。

1. 暮らしのリズムがばらばらになる
若いころは、同じ学校や職場で毎日のように顔を合わせていました。年齢を重ねるにつれて、仕事や住む場所、家族の形は人それぞれに変わっていきます。
40代後半から50代は、子どもの進学や親のことで忙しくなる人もいます。忙しい時期が人によってずれるため、会える日が合わなくなりがちです。子育てが一段落した主婦の方は、子どもを通じた付き合いが終わります。そのとき、ふと友達がいないと気づくこともあります。
転勤や住み替えで、住む地域が離れることもあります。気軽に会えた距離から遠くなると、連絡も少しずつ間遠になっていきます。
独身の人と家庭を持つ人とでは、休日の過ごし方や動ける時間帯も違ってきます。どちらが悪いわけでもなく、暮らしのリズムが合わなくなるだけのことです。
2. 親の介護や体調の変化で、会う余裕がなくなる
50代は、親の介護や見送りが始まる人が増える年代です。仕事と介護を両立するなかで、友人と会う時間を取れなくなることがあります。
また、更年期は一般に45〜55歳ごろとされています。(出典:厚生労働省)
体調が揺らぎやすい時期と重なるため、外出がおっくうに感じられる日もあるでしょう。体調の波には個人差があり、無理をせず休むことも必要です。
自分だけでなく、友人の側も同じ事情を抱えているかもしれません。連絡が途絶えたのは、お互いに余裕がなかったからという場合も多いのです。
3. 話題や価値観が少しずつずれていく
久しぶりに集まると、子どもや孫、家族の話が中心になることがあります。話題に入りにくく、居心地の悪さを感じた経験がある方もいるでしょう。
50代の独身女性の場合、同年代の友人の多くは家庭中心の暮らしです。そのため、話題が合いにくくなることもあります。お金の使い方や働き方、休日の過ごし方も、50代になると人によって大きく違ってきます。話が合わないと感じる場面が増え、足が遠のくのは自然なことです。
どちらの生き方が正しいという話ではありません。今の自分と話が合う人は、昔の友人とは限らないと考えると、気持ちが軽くなります。
4. 職場以外の知り合いが少ない
仕事中心の毎日を送ってきた人ほど、人付き合いの多くが職場の中にあります。転職や役職定年、退職で職場を離れると、つながりが一気に細くなることがあります。
先の調査では、60歳以上の男性で相談できる友人がいない人は、働いている人で35%でした。働いていない人では52%と、半数を超えています。(出典:NHK放送文化研究所)
とくに男性は、職場以外の知り合いが少ない傾向があります。50代のうちから職場の外に顔見知りを作っておくと、この先の安心につながります。
5. 人付き合いを自分で選ぶようになった
50代になると、気を使うだけの付き合いを自然にやめる人もいます。誘われるたびに無理をして出かけるより、ひとりの時間を大切にしたいからです。
友達付き合いがめんどうに感じる日もあるでしょう。会うと疲れてしまう気持ちも、決しておかしなことではありません。
この場合、友達が減ったのは自分で選んだ結果です。数が減ったこと自体を、悪いことと受け止める必要はありません。
「人が離れていく人の特徴」と自分を責めなくていい
インターネットで「人が離れていく人の特徴」を調べて、落ち込んでしまう方もいます。けれども、50代で友達が減る理由の多くは、ここまで見てきた暮らしの変化で説明できます。
性格に問題があるから友達がいない、と決めつける必要はありません。
それでも気になるときは、小さなことだけ見直してみましょう。たとえば、誘われたら一度は応じてみることです。自分から近況を伝えてみるのもよいでしょう。その程度の心がけで十分です。
友達がいないのは不幸ではない|50代からの考え方
「50代で友達は必要なのか」と考える方もいるでしょう。友達がいないことは、それだけで不幸なことではありません。大切なのは友達の数ではなく、自分が心地よくいられるかどうかです。

友達の数より、気軽に話せる人がいるかどうか
「友達」と聞くと、頻繁に会う親しい相手を思い浮かべがちです。けれども、50代の友人関係はもっとゆるやかでかまいません。
数か月に一度でも近況を送り合える人がいれば、それは立派なつながりです。先に見たとおり、悩みを相談できる友人は2〜3人がもっとも多い回答でした。多くなくていいのです。
きょうだいやいとこ、昔の同僚など、「友達」と呼ぶかどうか迷う相手も数に入れてよいでしょう。家族以外の人間関係を自分なりに築いている50代は、少なくありません。
あわせて読みたい:50代独身女性の特徴と本音|自分らしく生きるための5つのヒント
寂しさを感じるのは自然なこと
ひとりの時間を楽しめる人でも、ときどき誰かと話したくなるものです。ひとりが好きなことと、寂しさを感じることは両立します。寂しいと感じる自分を責める必要はありません。
寂しさは、人とのつながりを求める自然な気持ちです。寂しいと感じたときは、誰かに連絡してみる合図だと受け止めてもよいでしょう。好きな音楽を聴いたり、散歩に出たりして、気分を切り替えるのもひとつの方法です。
ひとりで暮らしている方は、体調を崩したときに連絡できる人を1人決めておきましょう。友人でも、きょうだいでもかまいません。もしものときに頼れる相手がいると、日々の安心感が変わってきます。
50代からの友達との付き合い方と新しいつながりの作り方
50代からでも、人とのつながりは作れます。無理に友達を増やす必要はありません。今あるつながりを大切にしながら、少しずつ人と会う場を広げていきましょう。
ここでは、気軽に始められる方法から順に紹介します。全部を試す必要はありません。今の自分に合いそうなものを、ひとつ選んでみてください。

疎遠になった友人に、気軽に連絡してみる
まずは、しばらく連絡を取っていなかった友人に、短いメッセージを送ってみましょう。誕生日や季節の変わり目は、連絡のよいきっかけになります。
返事が遅くても、気にしすぎないようにしましょう。相手も同じように忙しく過ごしていただけ、ということはよくあります。
一度会えなくても、つながりが切れたわけではありません。ゆるやかな連絡を続けるうちに、また会える時期が来ることもあります。
習い事や学びの場に通う
習い事は、50代からの友達作りにおすすめの場です。同じことを学ぶ人とは、会話のきっかけが自然に生まれます。
毎週同じ時間に顔を合わせるうちに、少しずつ顔見知りが増えていきます。料理や書道、語学、ヨガなど、興味のあることから選んでみましょう。
自治体の講座や公民館の教室は、費用が手ごろなものも多くあります。まずは1回だけの体験講座から始めると、気持ちの負担も軽くなります。
趣味のサークルや地域の活動に参加する
ウォーキングや合唱、園芸など、同じ趣味の人が集まるサークルもよい場です。好きなことが共通していると、年齢や立場が違っても話が弾みます。
地域のサークルは、自治体の広報誌や公民館の掲示板で探せます。見学だけでも受け入れているところが多いので、雰囲気を見てから決めましょう。
合わないと感じたら、無理に続けなくてかまいません。いくつかの場を試しながら、居心地のよい場所を見つけていけば大丈夫です。
ボランティアや働く場でつながる
ボランティア活動では、自分に役割があるぶん、会話が生まれやすくなります。誰かの役に立てる実感は、毎日の張り合いにもつながります。
働くことも、人と会う大切な場になります。先に見たとおり、60歳以上の男性では、働いている人ほど相談できる友人がいました。
週に数日の仕事でも、決まった顔ぶれと話す機会ができます。収入のためだけでなく、つながりの場として働き方を考えるのもひとつの方法です。
SNSやオンラインの集まりは、安全に気をつけて使う
SNSやオンラインの集まりでは、住む場所が離れていても同じ趣味の人とつながれます。外出がおっくうな時期にも、気軽に参加できるのがよいところです。
一方で、注意点もあります。住所や勤め先などの個人情報は、むやみに教えないようにしましょう。
お金の話や、急に会おうとする誘いには慎重になりましょう。実際に会う場合は、昼間の人が多い場所を選ぶと安心です。はじめのうちは、オンラインでのやりとりだけにとどめるのもよい方法です。
「友達」と呼ばなくていい、ゆるいつながりを増やす
つながりは、「友達」と呼べる相手だけではありません。行きつけの店の人や、あいさつを交わす近所の人も、暮らしを支えてくれる存在です。
名前を呼び合う程度の関係でも、顔を合わせれば気持ちがほっとします。いつもの人がいる場所があると、それだけで毎日に安心感が生まれます。
ひとりで暮らす50代こそ、こうしたゆるいつながりが日々の支えになります。深い付き合いでなくても、つながりは暮らしを豊かにしてくれるのです。
寂しさがつらいときは、ひとりで抱え込まない
寂しさで眠れない日が続くこともあるでしょう。気持ちの落ち込みが、なかなか晴れないときもあります。そんなときは、ひとりで抱え込まないでください。
身近に話せる人がいなくても、話を聞いてもらえる場があります。厚生労働省のウェブサイト「まもろうよ こころ」を開いてみてください。電話やSNSで相談できる窓口を探せます。
誰かに話すだけでも、気持ちが少し軽くなることがあります。頼ることは、決して弱さではありません。
体の不調が続く場合は、かかりつけの医療機関に相談することも考えましょう。眠れない、食欲がないといった状態が長引くときは、早めに相談しましょう。
まとめ|50代からのつながりは、自分のペースで選び直せる
50代で友達がいないと感じる人は、決して少なくありません。悩みを相談できる友人がいない50代の男性は、37%にのぼります。
友達が離れていくのは、暮らしの変化が重なった結果であることがほとんどです。自分を責める必要はありません。友達の数よりも、気軽に話せる人がいるかどうかを大切にしましょう。
これからのつながりは、自分のペースで選び直せます。まずは、昔の友人に短いメッセージを一通送ってみましょう。地域の講座をひとつ調べてみるのも、よい一歩です。
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