60代独身男性のリアル|割合と特徴・悩みとこれからの備え

60代で独身の男性は、決して少なくありません。離婚や死別でひとりになった人も含めると、同年代の男性のおよそ4人に1人が独身です。

定年や再雇用の節目を迎え、これからの暮らしについて考える機会が増えた方も多いはずです。

この記事では、60代独身男性の割合を公的なデータで紹介します。多い特徴や、抱えやすい悩みも整理しました。よく耳にする「独身男性は60代で亡くなる」という話の本当のところも取り上げます。60代からの暮らしを心地よく続けるための備えもあわせて紹介します。

データで見る60代独身男性の割合

2020年、60代前半の男性の17.3%は一度も結婚していません。およそ6人に1人です。離婚や死別でひとりになった人を合わせると、配偶者のいない男性は27.5%にのぼります。60代後半でも25.4%と、およそ4人に1人が独身で暮らしています。

年代未婚離別死別合計(配偶者なし)
60〜64歳17.3%8.1%2.1%27.5%
65〜69歳14.1%7.6%3.7%25.4%

出典:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2026年版)」(総務省「国勢調査」2020年をもとに作成・合計は編集部で算出)

ずっと独身で暮らしてきた人もいれば、離婚や死別を経てひとりになった人もいます。60代で独身でいることは、決して珍しいことではないのです。

あわせて読みたい:独身男性のリアル|データで見る今と特徴・40代からの悩みと生き方

60代でひとり暮らしをする男性も増えている

65歳以上で一人暮らしをする男性は、2020年に約231万人でした。65歳以上の男性の15.0%にあたります。(出典:内閣府)

ひとりで暮らす男性の割合は、この先も高まっていくと見込まれています。ひとり暮らしは、60代以降の男性にとって身近な暮らし方のひとつになっているのです。

60代独身男性に多い4つの特徴

60代の独身男性とひとくちに言っても、暮らし方や考え方は人それぞれです。ここで紹介するのは、あくまで多く見られる傾向です。当てはまらないところがあっても、何も問題はありません。

朝の自宅の食卓で、新聞とコーヒーを前に過ごす60代の男性

1. 自分のペースで暮らすことを大切にしている

起きる時間や食事、休日の過ごし方を、自分で決めて暮らしている人が多くいます。長くひとりで暮らすなかで、自分に合った生活のリズムができあがっているのです。

誰かに合わせなくてよい気楽さは、60代になっても変わらない心地よさです。静かな朝をゆっくり過ごす日もあれば、思い立って出かける日もあります。時間の使い方を自分で選べることを大切にしているのです。

2. 身の回りのことを自分でこなせる

料理や掃除、洗濯だけでなく、役所や銀行の手続きも自分でこなしてきた人がほとんどです。何十年と続けてきた暮らしの段取りは、60代になって大きな支えになります。

退職をきっかけに、料理に凝り始める人もいます。得意不得意はあっても、自分の暮らしを自分で回せる力は、この先も長く役に立ちます。

3. 60代も働き続けている人が多い

60代になっても、仕事を続けている男性は多数派です。2025年の調査では、60代前半の男性の84.1%、60代後半でも63.4%が働いています。(出典:総務省)

働き方は人それぞれです。同じ会社で再雇用として働く人もいれば、転職や自営で新しい仕事を始める人もいます。仕事は収入だけでなく、毎日の張り合いや人とのつながりにもなっています。

4. 結婚にこだわらず、今の暮らしを大切にしている

2021年度の国の調査で、結婚経験のない60代の独身男性に結婚の意思を聞きました。「したくない」「出来ればしたくない」と答えた人は39.2%でした。「どちらでもいい」も38.4%います。(出典:内閣府)

結婚を否定しているわけではありません。する人生もしない人生も、自分で選ぶものと考え、今の暮らしを大切にしているのです。

「変わり者」と見られることがあっても

60代の独身男性は、周りから「変わり者」と見られることがあるかもしれません。けれども、こだわりの強さや、人付き合いを選ぶ姿勢は、長く自分の力で暮らしてきた人の個性です。

自分に合うものを知っていて、無理に周りに合わせないだけのことも多いのです。こうした見方が生まれる理由は、次の記事で詳しく取り上げています。

あわせて読みたい:50代独身男性の特徴と本音|これからを心地よく生きる5つのヒント

60代独身男性が抱えやすい悩みと不安

60代の独身男性について、「悲惨」といった強い言葉を目にすることもあります。不安になりますよね。ただ、実際の悩みの多くは、早めに知って備えることで小さくできるものです。ここでは、60代で抱えやすい悩みを5つ取り上げます。

夕方、自宅の窓辺で外を眺める60代の男性の後ろ姿

職場を離れると、話し相手が減る

定年や再雇用の終わりをきっかけに、毎日顔を合わせていた職場の人とのつながりがなくなります。気がつくと、一日誰とも話さなかったという日が増える人もいます。

2025年の国の調査では、孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた60代の男性は5.5%でした。「時々ある」「たまにある」まで含めると、孤独を感じることがある人はもっと多くなります。(出典:内閣府)

寂しさを感じるのは、人とのつながりを大切にしたい気持ちがあるからです。寂しさを感じること自体は、おかしなことではありません。

年金とお金の見通し

仕事を退いたあと、年金で暮らしていけるのかは、多くの人が気になるところです。ひとり分の年金で暮らしを支えることに、不安を感じる人もいるでしょう。

老齢年金を受け取り始めるのは、原則65歳からです。60代は、暮らしを支えるお金が、仕事の収入から年金へと切り替わっていく時期でもあります。

漠然とした不安は、見込みを具体的に知ることで小さくなっていきます。確かめ方は、このあとの「備え」で紹介します。

体調の変化と、もしものときの心配

60代になると、持病や体調の変化が気になり始める人が増えます。ひとり暮らしで体調を崩したとき、気づいてくれる人がいないことを心配する人もいます。

入院や施設への入所のときに、緊急連絡先や身元保証人を求められることも心配の種です。ただし、身元保証人がいないことだけを理由に入院を断ることは、国の通知で認められていません。頼める家族がいない場合は、身元保証などを担う民間の事業者を利用する方法もあります。国は2024年に、こうした事業者向けの「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を定めています。契約の前に、サービスの内容や費用を確かめておくと安心です。

よく聞く「独身男性は60代で亡くなる」の本当のところ

ネットでは「独身男性の平均寿命は67歳」という話を目にします。「独身男性の半数が60代で亡くなる」という声もあります。けれども、この「67歳」は平均寿命ではありません。その年に亡くなった未婚の男性の年齢をもとにした数字で、2020年の統計から計算されたものです。(出典:厚生労働省)

若くして亡くなった人は、結婚する前であることが多いものです。そのため、亡くなった人の年齢で比べると、未婚の人の数字は低く出やすくなります。

では、60歳の男性はこの先、平均で何年生きられるのでしょうか。2025年の簡易生命表では、60歳の男性の平均余命は23.86年です。65歳の男性でも19.68年あります。(出典:厚生労働省)

なお、結婚しているかどうかで分けた平均余命は、現在は国から公表されていません。独身だから寿命が短いと決まっているわけではないのです。

親の介護や見送り

60代になると、親は80代から90代になっていることが多くなります。介護や見送りを、自分が中心になって担う人もいます。

ひとりで抱えると、仕事や自分の暮らしとの両立に悩むこともあるでしょう。介護の相談先は、このあとの「備え」で紹介します。

60代からの独身生活を心地よく続ける5つの備え

悩みや不安の多くは、早めに備えておくことで小さくできます。ここでは、60代から始められる5つの備えを紹介します。

地域の公民館の講座で、同年代の人と作業をする60代の男性

これからの働き方を決める

今は法律で、希望すれば65歳まで働ける仕組みを整えることが企業に義務づけられています。さらに、70歳まで働ける機会を確保することも、企業の努力義務になりました。

働き続けるのも、時間を減らすのも、仕事を離れるのもひとつの選択です。体調や暮らしに合わせて、自分で決めてかまいません。働くことは収入になるだけでなく、生活のリズムや人とのつながりにもなります。

年金の受け取り方を確かめる

毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」で、年金の見込額を確かめられます。「ねんきんネット」を使えば、働き方などの条件を変えて見込額を試算することもできます。

老齢年金は原則65歳から受け取りますが、60歳から75歳の間で、受け取り始める時期を選べます。早める「繰上げ受給」では年金額が減り、遅らせる「繰下げ受給」では増えます。

どの時期に受け取るのがよいかは、暮らし方によって変わります。迷ったときは、年金事務所やファイナンシャルプランナーなどに相談するとよいでしょう。

健康診断と、かかりつけの医療機関を持つ

健康診断を毎年受けて、体の変化に早めに気づけるようにしておきましょう。気になることを相談できる、かかりつけの医療機関を決めておくと安心です。

食事は、完璧を目指さなくてかまいません。野菜の多いメニューを選ぶ、散歩を日課にするなど、できるところから整えていきましょう。

頼れる人と、もしものときの連絡先を決めておく

友人やきょうだい、近所の知り合いなど、困ったときに声をかけられる人がいると安心です。入院したときの緊急連絡先を誰にお願いするかも、あらかじめ話しておきましょう。

親の介護や自分の暮らしで困ったときは、「地域包括支援センター」に相談できます。市町村が設置する高齢者の総合相談の窓口で、家族からの介護の相談も受け付けています。

仕事以外の居場所と休日の楽しみをつくる

仕事を離れたあとの時間は、思っている以上に長いものです。休日の過ごし方をひとつずつ増やしていくと、毎日に張り合いが生まれます。

  • 体を動かす: 散歩やウォーキング、公営のスポーツ施設、家庭菜園
  • 学ぶ: 公民館や自治体の講座、図書館、資格の勉強
  • 人と関わる: 地域の集まり、ボランティア、趣味のサークル

週に一度でも顔を出せる場所があると、自然と話し相手ができていきます。60代から新しい趣味を始める人も少なくありません。

まとめ|60代からの暮らしは、自分で選び直せる

60代で独身の男性は、同年代のおよそ4人に1人にのぼります。自分のペースで暮らし、身の回りのことを自分でこなしてきた経験は、この先の大きな支えです。

お金や健康、話し相手のことなど、気になることはあっても、早めに備えることで小さくしていけます。まずは「ねんきん定期便」を見直すことから始めましょう。近所の講座や集まりをひとつ調べてみるのも、よい一歩です。

独身なび編集部のX(@dokushin_navi)では、独身の暮らしに役立つ情報をお届けしています。

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