一生独身という生き方|生涯独身の割合と向いている人・年代別の備え

「このまま一生独身かもしれない」と思うことはありませんか。すでに「一生独身でいい」と決めている方もいるでしょう。

先にお伝えすると、一生独身は、いまでは珍しい生き方ではありません。50歳の時点で一度も結婚していない人は、男性の4人に1人、女性の6人に1人ほどいます。

この記事では、国の統計をもとに、一生独身の人の割合と「何歳から」の考え方を紹介します。一生独身でいい理由や、暮らしのよいところと注意点も整理しました。向いている人の特徴、男女の違い、年代別の備えまでまとめています。

目次

一生独身(生涯独身)の割合は、男性の4人に1人・女性の6人に1人

50歳の時点で一度も結婚していない人は、2020年に男性28.3%、女性17.8%でした。男性はおよそ4人に1人、女性はおよそ6人に1人にあたります。

30年前の1990年は、男性5.6%、女性4.3%でした。この30年で、男性は約5倍、女性は約4倍に増えています。(出典:国立社会保障・人口問題研究所)

一生独身で暮らすことは、もう特別な選択ではありません。同じ道を歩いている人は、あなたの周りにも大勢います。

平日の夕方、駅前の通りをそれぞれひとりで歩く40〜50代の男女の後ろ姿

40代・50代の独身者では、3〜5割が「結婚したくない」と答えている

国は2021年度の調査で、結婚したことのない独身者に、結婚への気持ちを聞いています。40代以上の結果は、次のとおりです。

年代女性 結婚したくない男性 結婚したくない
40代31.4%29.8%
50代55.6%38.9%
60代66.4%39.2%

出典:内閣府「人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査」(2021年度)※「結婚したくない」は「出来ればしたくない」「したくない」の合計です。「どちらでもいいと思う」は含みません。

50代の女性では、半数を超える人が結婚をしたくないと答えています。男性も、40代以上では3〜4割にのぼります。

このほかに「どちらでもいい」と答えた人も、40代・50代では男女とも3割台いました。結婚を強く望むわけでも、拒むわけでもありません。そんな人も多いのです。

なお、この表は年代ごとに別の人に聞いた結果です。同じ人の気持ちの変化を追ったものではありません。

若い世代にも、同じ流れがあります。18〜34歳の未婚者に聞いた調査では、「一生結婚するつもりはない」人が増えています。2021年は男性17.3%、女性14.6%でした。2010年は男性9.4%、女性6.8%でした。10年あまりで、男性は約1.8倍、女性は約2.1倍になっています。(出典:国立社会保障・人口問題研究所)

「一生独身」と「生涯独身」は同じ意味です

「一生独身」と「生涯独身」は、どちらも一生結婚しないまま過ごすことを指します。言い方が違うだけで、意味に違いはありません。

50歳の時点で一度も結婚していない人の割合は、かつて「生涯未婚率」と呼ばれていました。いまは「50歳時の未婚割合」という呼び方が使われています。(出典:国立社会保障・人口問題研究所)

「生涯」とついていても、一生結婚しないと決まった人の数ではありません。あくまで、50歳の時点の状態を数えた数字です。

独身なびでは、ふだんの言い方に近い「一生独身」で統一してお伝えします。

何歳から一生独身、という決まりはありません

「何歳を過ぎたら一生独身」という決まりはありません。統計が区切りにしている50歳も、数字をまとめるための目安です。あなたの人生の区切りではありません。

たしかに、50歳を過ぎてから初めて結婚する人は多くありません。それでも、毎年たしかにいます。

2024年に結婚生活に入り、同じ年に届け出た夫婦の数を見てみましょう。50歳以上で初めて結婚した人は、夫が5,502人、妻が2,904人でした。初婚の夫のおよそ2%にあたります。

40代で結婚する人は、さらに多くいます。同じ年に結婚生活に入った夫婦のうち、夫が40代だったのは36,440組でした。(出典:厚生労働省の統計をもとに編集部で集計)

結婚するかどうかも、いつ決めるかも、年齢で決まるものではありません。何歳であっても、自分の暮らし方は自分で決めてよいのです。

一生独身でいい理由は、「選んだ」と「気づいたら」の2つに分かれます

一生独身でいることは、悪いことではありません。誰かに迷惑をかけるわけでも、何かが欠けているわけでもありません。

一生独身でいい理由は、人によってさまざまです。大きく分けると、自分で選んだ人と、気づいたら独身だった人の2つがあります。実際には、両方の気持ちが混ざっている人も多いでしょう。

自分で選んだ|自由や今の暮らしを大切にしたい

1つ目は、自分の意思で一生独身を選んだ人です。仕事や趣味、自分のペースで過ごす時間を大切にしたいと考えています。

国の調査では、40〜69歳で結婚に積極的でない独身者に、その理由を聞いています。「結婚に縛られたくない、自由でいたいから」と答えた人は、女性60.7%、男性44.1%でした。

「今のままの生活を続けた方が安心だから」という人も、女性54.0%、男性38.1%いました。今の暮らしに満足しているからこそ、変える理由がないという考え方です。

あわせて読みたい:「結婚したくない」はおかしくない|6つの理由と将来の備え

気づいたら独身だった|出会いや時期がかみ合わなかった

2つ目は、はっきり決めたわけではなく、気づいたら独身だった人です。仕事に打ち込んでいた、親の世話をしていたなど、事情は人それぞれです。

同じ調査では、ほかの理由も多く挙がりました。「結婚するほど好きな人に巡り合っていないから」です。女性58.8%、男性43.2%です。(出典:内閣府)

出会いや時期がかみ合わなかったのは、あなたの落ち度ではありません。結婚しなかった理由を、自分の欠点に結びつけなくてよいのです。

どちらの型に近いかで、よい悪いが決まるわけでもありません。今の自分の気持ちを、そのまま受け止めてあげてください。

あわせて読みたい:結婚を諦めたあなたへ|楽になれる考え方とこれからの生き方

一生独身の暮らし|よいところと、向き合っておきたいこと

一生独身の暮らしには、年齢を重ねるほど実感できるよさがあります。一方で、ひとりだからこそ早めに向き合っておきたいこともあります。

ここでは、一生続く暮らしという視点で、両方を整理します。注意点も、前もって知っておけば手当てができます。

休日の朝、ベランダの植物に水をやる50代の女性

時間とお金の使い道を、ずっと自分で決められる

一生独身のいちばんのよさは、時間とお金の使い道を自分で決められることです。休日をどう過ごすか、何にお金をかけるかを、誰とも相談せずに選べます。

このよさは、年齢を重ねても続きます。50代で学び直しを始めることもできます。60代で住み替えるときも、自分のタイミングで決められます。

自分の人生のかじを、最後まで自分で握っていられるのです。これが、一生独身の暮らしの大きな魅力です。

仕事の選び方も同じです。転職や働き方の見直しを、家族の事情と調整せずに考えられます。

家族の役割に追われず、人づきあいを選べる

結婚すると、配偶者の家族との付き合いが生まれます。家事の分担や、帰省の予定を話し合う場面も増えます。

一生独身なら、こうした調整に追われることはありません。付き合う相手や距離の取り方を、自分で選べます。

気の合う友人と長く付き合ったり、趣味の仲間と出かけたりする時間も持ちやすいでしょう。人間関係を自分の手で育てていける点も、ひとりの暮らしのよさです。

向き合っておきたいのは「もしものとき」と「つながり」

向き合っておきたいことの1つ目は、もしものときの備えです。体調を崩したときや入院したとき、手続きを頼める人を自分で用意しておく必要があります。たとえば、入院の荷物を届けてもらう、家の鍵を預けておく、といった頼みごとです。

65歳以上でひとり暮らしをしている人は、少なくありません。2020年には、65歳以上の男性の15.0%、女性の22.1%がひとり暮らしでした。(出典:内閣府)同じ立場の人は多く、支える仕組みも少しずつ整ってきています。

2つ目は、人とのつながりです。仕事を引退したり親を見送ったりすると、人と話す機会は減りやすくなります。

国の調査でも、孤独感につながった出来事が挙がっています。多かったのは、家族との死別や一人暮らし、退職などでした。(出典:内閣府)

つながりは、放っておくと細くなりやすいものです。年齢を重ねるほど、つながりは意識して保つものと考えておきましょう。

どちらも、前もって準備しておけば心配を小さくできます。具体的な備えは、このあとの年代別の備えでご紹介します。

一生独身が向いている人の5つの特徴

一生独身に向いているのは、性格に特別な何かがある人ではありません。ひとりの暮らしを心地よく続けやすい人には、いくつかの共通点があります。

5つ挙げますが、すべてに当てはまる必要はありません。当てはまらなくても、一生独身で穏やかに暮らしている人は大勢います。

公民館の趣味の教室で、同年代の人と作業しながら談笑する60代の男性

ひとりの時間を楽しめる

休日に予定がなくても、読書や散歩、料理などで過ごし方を見つけられる人です。ひとりの時間を「空いた時間」ではなく、自分のための時間と感じられます。ひとりで外食や旅行を楽しめる人も、このタイプに近いでしょう。

自分の機嫌を自分でとれる

気持ちが沈んだとき、好きなものを食べたり早めに寝たりして、自分で立て直せる人です。誰かに機嫌をとってもらわなくても、落ち着きを取り戻せます。自分を元気にする方法をいくつか知っていると、ひとりの暮らしはぐっと楽になります。

家族以外にも話せる相手がいる

友人や趣味の仲間、職場の同僚など、家族以外に話せる相手がいる人です。相手は多くなくて構いません。困ったときに連絡できる人が数人いれば十分です。

困ったときに「助けて」と言える

体調を崩したときや手続きに迷ったときに、人や窓口を頼れる人です。ひとりで暮らすことは、何でもひとりで抱えることではありません。頼ることは、弱さではありません。

お金や健康の見通しを、自分で立てるのが苦にならない

年金の見込みを確かめたり、健診の予定を立てたりすることを、面倒がらずにできる人です。すべてを一度に決める必要はなく、少しずつ見通しを立てられれば十分です。

一生独身で暮らしていても、気持ちが揺れる時期はあります。親を見送ったとき、体調を崩したとき、友人の結婚や出産の知らせが続いたときなどです。

そんなときに迷いが出るのは、自然なことです。向いていない証拠ではありません。

一生独身は男性と女性で何が違うのか

「一生独身がいいのは男性のほうではないか」と思う方もいるかもしれません。けれど、国の調査を見ると、年代が上がるほど結婚を望まない人は女性のほうが多くなります。

先ほどの表のとおり、50代で結婚をしたくないと答えた人は、女性55.6%、男性38.9%でした。一方で、50歳の時点で一度も結婚していない人の割合は、男性のほうが高くなっています。

男性と女性では、一生独身で暮らすときに気をつけたい点も少し違います。それぞれ見ていきましょう。

一生独身の女性は、長い老後の暮らし方を早めに考えておく

女性は男性より平均寿命が長く、老後の期間も長くなりやすい傾向があります。2025年の女性の平均寿命は87.33年で、男性より6年ほど長くなっています。

65歳の女性の平均余命は24.52年でした。65歳から、さらに平均で24年あまり暮らすことになります。男性の19.68年より5年ほど長い計算です。(出典:厚生労働省)

65歳以上でひとり暮らしをしている人も、女性のほうが多くなっています。先ほど紹介したとおり、2020年に女性の22.1%がひとり暮らしでした。

そのため、女性はひとりで過ごす期間が長くなることを前提に考えておくと安心です。住まいとつながりは、特に早めに見通しを立てておきましょう。住み替えるなら何歳ごろか、近くに頼れる人はいるかを考えておきます。

孤独感についても見てみましょう。孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた女性は、未婚の人で6.3%でした。配偶者のいる人では2.5%です。(出典:内閣府)

男性ほど大きな差ではありませんが、女性も人とのつながりを保っておくと心強いでしょう。友人や地域の集まりなど、家族以外の居場所を少しずつ増やしておきましょう。

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一生独身の男性は、体のことと人とのつながりを意識しておく

男性で気をつけたいのは、人とのつながりです。国の調査では、孤独感が「しばしばある・常にある」と答えた人は、未婚の男性で11.3%でした。配偶者のいる男性の2.3%と比べると、差があります。(出典:内閣府)

ただ、つながりは自分で増やしていけるものです。趣味の集まりや地域の活動など、仕事以外の居場所を持っておくと支えになります。

「独身男性の平均寿命は67歳」という話を聞いたことがある方もいるでしょう。これは亡くなった未婚男性の年齢の真ん中の値で、平均寿命ではありません。未婚の男性には若い世代が多いため、低く出やすい数字です。

男性全体の平均寿命は、2025年で81.35年でした。(出典:厚生労働省)独身だから早く亡くなると決まっているわけではありません。食事や健診など、体のことを自分で気にかけておきましょう。

一生独身を覚悟したら|年代別に備えておきたいこと

一生独身を覚悟するといっても、すべてを一度に決める必要はありません。年代ごとに1つずつ整えていけば十分です。

ここでは40代から70代以降まで、時期ごとに備えておきたいことをまとめました。国や自治体の仕組みも、あわせて紹介します。

ダイニングテーブルに年金の書類とノートを広げ、メモをとる50代の男性

40代|お金と住まいの見通しを一度立てる

40代は、老後までの見通しを一度立てておきたい時期です。まずは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」を開いてみましょう。これまでの加入実績に応じた年金額がわかります。

住まいについては、「いつまで、どこに住むか」を考えておくと安心です。賃貸を続けるのか、どこかで住み替えるのか、大まかな方向だけでも決めておきましょう。

健康面では、健診を習慣にしておきましょう。40歳からは特定健診の対象になります。市区町村のがん検診も、ほとんどの市区町村が費用の多くを公費で負担しています。

50代|親のこと・自分の健康・働き方を見直す

50代は、親の介護が始まりやすい時期です。仕事を続けながら介護をするための仕組みとして、介護休業と介護休暇があります。

介護休業は、家族1人につき通算93日まで取れます。3回まで分けて取ることもできます。介護休暇は、対象の家族が1人なら年5日まで取れます。

50代は、自分や親の暮らしについて相談できる窓口を知っておきたい時期でもあります。親の介護のことは、親が住む地域の地域包括支援センターで相談できます。本人だけでなく、家族からの相談も受けています。

お金の面では、ねんきん定期便の中身が50歳から変わります。65歳から受け取れる年金の見込額が載るようになるのです。この数字をもとに、老後の暮らしを具体的に考えてみましょう。

働き方も見直しておきたいことの1つです。企業には、65歳まで働ける場を用意することが義務づけられています。(出典:厚生労働省)

いつまで、どんな形で働くかを考えておきましょう。働く期間の見通しがつくと、お金の見通しも立てやすくなります。

60代|頼れる先を「人」と「仕組み」の両方で用意する

60代は、いざというときに頼れる先を用意しておきたい時期です。頼れる先は、人と仕組みの両方で考えておくと安心です。

人については、緊急時の連絡先を決めておきましょう。きょうだいや友人など、何かあったときに連絡してもらう相手と話し合っておきます。お互いに連絡先を預け合う友人がいると、心強いものです。

仕組みについては、自分が住む地域の地域包括支援センターの場所を確かめておきましょう。市町村が設けている、高齢者の暮らしや介護の総合相談窓口です。いざというときに、どこへ相談すればよいか迷わずに済みます。

年金は、原則として65歳から受け取ります。ただし、受け取り始める時期は60歳から75歳の間で選べます。早めると年金額は減り、遅らせると増えます。どの時期がよいかは人によって違うため、年金事務所などで相談してみましょう。

70代以降|医療や介護の希望と、亡くなったあとのことを書き残す

70代以降は、医療や介護の希望を書き残しておきたい時期です。どんな治療を望むか、どこで暮らしたいかを、ノートなどにまとめておきましょう。書いたノートの置き場所は、信頼できる人に伝えておきます。

「身元保証人がいないと入院できないのでは」と心配する方もいるでしょう。国は、身元保証人がいないことだけを理由に入院を断ることは認められないと示しています。(出典:厚生労働省)

亡くなったあとの手続きや身元保証を、事業者に頼むこともできます。国はこうした事業者向けにガイドラインを示しています。契約を考えるときは、ガイドラインに沿った事業者かを確かめると安心です。

市区町村によっては、見守りや安否確認のサービスを行っているところもあります。お住まいの市区町村の窓口で、どんな支えがあるか確かめておきましょう。

あわせて読みたい:身寄りのない高齢者の支援制度まとめ|相談先と今からできる備え

「一生独身でいい」と決めきれなくても大丈夫です

ここまで読んで、「一生独身でいいと決めきれない」と感じた方もいるかもしれません。それで大丈夫です。

気持ちは、年齢や出来事によって変わっていくものです。今は一生独身でいいと思っていても、この先に大切な人と出会うこともあるでしょう。反対に、結婚したいと思っていた人が、ひとりの暮らしに満足するようになることもあります。

夕暮れの川沿いの散歩道を、自分のペースで歩く60代の女性

一生独身かどうかは、今日決めなくても困りません。この記事で紹介した備えは、結婚してもしなくても役に立つものばかりです。

一生独身と決めてしまう必要も、結婚を目指し続ける必要もありません。決めきれないまま、今の暮らしを大切にしていてよいのです。

結婚という形にこだわらず、そばにいてくれる人が欲しいと感じる方もいるでしょう。結婚しないパートナーとの暮らし方を知っておくと、選べる道が広がります。

あわせて読みたい:結婚しないパートナー探し|50代・60代の出会い方と関係の形

まとめ

一生独身は、いまでは珍しい生き方ではありません。50歳の時点で一度も結婚していない人は、男性の4人に1人、女性の6人に1人ほどいます。

一生独身でいい理由には、自分で選んだ場合と、気づいたら独身だった場合があります。どちらであっても、悪いことではありません。

一生独身の暮らしには、時間とお金を自分で決められるよさがあります。一方で、もしものときの備えと人とのつながりには、早めに向き合っておきましょう。

備えは、年代ごとに1つずつ整えていけば十分です。まずは、次に届くねんきん定期便を開いて、年金の見込みを確かめるところから始めましょう。

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